照明は「こうあるべき」みたいな
セオリーどおりじゃないことをやりたい

RELEACE 2016.02.10

堀内勘三郎  profile...

静岡県浜松市出身・在住。
電気空調設備の設計・施工を主な業務とする「株式会社エレキ」の代表取締役。
また同社内にて、照明のプランニング、照明器具・雑貨の販売を行う「ランタン事業部」も展開。電気工事のプロフェッショナルながら、それだけにとどまらず、照明プランナーとしても活躍する他、店舗プロデュースまで手掛ける。

「記念すべき第1回目の『トーク・セッション』は、浜松市内で電気工事の会社を経営しながら、照明のプランニングなども手掛ける堀内乾三郎さんの登場。いつもどおりの和やかムードの中、楽しいセッションを繰り広げました。

佐 野 | 堀内さんから見て、最初、Select工房に対してどう思ってました?

掘 内 | いや、実はね。最初は、「うまく取り込んでしまおうかな・・・」くらいのことは考えてましたよ(笑)取り込むという表現はちょっと乱暴だけど。でもね、実際、お仕事をさせてもらうと、いやそうじゃないなと。とにかく任せてくれるので、逆にそれに応えていかないとなって。
お互いに面白い仕事ができるんじゃないかなって今は思ってますよ。

佐 野 | この業界けっこう我が強い人、多いですしね(笑)。僕はただ、堀内さん、変わってて面白いなって印象でしたよ。掴みどころがない。でもなんか惹かれるものがあったから、お付き合いさせてもらってるんですけどね。

掘 内 | 嬉しいですねぇ(笑)。ただ僕、少し矛盾してるかもしれないけど、中途半端な人とは付き合わないんです。「いいよそんなもんで」とか「これぐらいでいいでしょ」みたいな感じの人いるでしょ?そういう人と仕事しても張り合いがない。

佐 野 | それはそうですよね。僕らも任せる以上は、期待がありますからね。

掘 内 | で、お金のこと考えずに、突っ走っちゃう(笑)。

佐 野 | それで利益なくなっちゃうんでしょ?まったくSelectと同じですよ(笑)。ところで堀内さんって小さい頃はどんな感じでした?

掘 内 | 兄弟は年の離れた兄二人と姉と末っ子の僕で4人。うちは商売をしてたから兄が父親代わり、姉が母親代わりみたいな感じでね、そんなだから自由ですよ。やりたい放題。野生児みたいで自由奔放でした。誰かが止めないとずっと走ってっちゃう感じ(笑)。そんな子供時代が今の自分に繋がってるんですかね。

佐 野 | へぇ、それでかぁ!なんか堀内さんと僕って似てると思ってたけど、生い立ちが似てるんですよ。僕も少し年の離れた姉が二人で、僕は末っ子。一番上の子って一度頭で考えちゃうけど、末っ子はまず行動してから「あれは失敗だった」とか後から分るんですよね。
ここへ辿り着くまでの職歴はどうなんですか?

掘 内 | 電気工事の会社での下積みを経て独立しました。ですから基本、僕は職人。凄い経歴を引っさげて独立したわけでもなんでもない。あとね、僕、師と仰ぐ人がいて、その人の感性や人間性にとても共感してて、その人の影響もあって、自分を表現する場として「ランタン」をやっているところもあるんですよ。

佐 野 | と言うと?

掘 内 | 照明って実は100年くらいの歴史があるんだけど、それだけ歴史があるとセオリーみたいなものってできてくるじゃないですか?「こうあるべき」とか。でもそういうセオリーどおりじゃないことをやってみたいんですよ。例えば部屋の真ん中に、照明器具を灯すんじゃなくて、ちょっとズラしてみたり。そういうことをしたいんです。

佐 野 | ああ、わかるわかる。「この照明いいよね」じゃなくて「この空間いいよね」みたいなところなんですよね。そうゆうの共感できます。堀内さんのところって、株式会社エレキっていう電気工事の会社が母体で、さらに、照明器具の販売やプランニングをするランタン事業部があるわけですよね?こういう事業展開は、同業他社にはないですよね。

掘 内 | ですね。基本はあくまで電気工事です。ただそれだけだと他社さんと同じ。自分の性分からしてそれでは満足できないから、ランタン事業部を立ち上げた。生活のために誠実に仕事をこなす母体があり、その上に自分を表現したり、面白いことをやるためのランタンが乗っかっている。どちらもなくてはならない。

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